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【田中果樹園】ご夫婦二人で丁寧に育てる種々の梨たちを直送で

2014.09.27 カテゴリブログ,田中果樹園

少しずつ、朝晩の涼しさが心地よい季節になってきました。この時期は、瑞々しい梨が美味しい季節。
福島県でも梨の収穫と出荷に、生産者が忙しくなる時期です。

平成26年に公表された農林水産省のデータを見ると、福島県の梨の出荷量は全国4位。桃やりんごのイメージが強い土地ではありますが、梨もたくさん育っているのです。もちろん、ここ相馬でも。

今回は、約60年前から相馬の地で梨栽培を行っている田中果樹園を営む田中富士夫さんに、ご自身の梨園についてうかがいました。

 

田中果樹園の園主・田中富士夫さん

 

新しいことは特にしていないんです

田中さん:うちは戦後の開拓農家なんです。父親が始めて、それから続けています。私は次男で、高校を卒業して相馬を出たんです。農業系の学校に通っていました。そこで周りの人間に感化されたというか、やっぱりそういう方面に進む人間がほとんどですので、私も自然と家業の後を継ぐことを考えるようになって。それで相馬に戻ってきました。

 

田中さんが現在育てている梨は6種類。新しい品種を試しては、味を見て、美味しいと感じたものを育ててきました。

 

田中さん:新しいものってやっぱり皆さん好きなんですよね(笑)。だから、常にそこには意識しています。それで自分で育ててみる。そうしてできた梨の味をみて美味しいと思った種類を育てています。栽培に関しては、別段新しいことをしているわけではないんですよ。

 

そういって田中さんは笑いますが、梨も生き物。天候に左右され、毎年同じように育つとは限りません。今年も例年と違い、花が多く咲いたといいます。つまり、実った果実も多かった。

 

田中さん:天気が良かったんですね。それでたくさん実ができたんです。そうすると今度は摘果が大変で……。腰にきますね(笑)。昔は収穫の時期に求人をかけてやっていたのですが、今はなかなか難しくてね。夫婦でやっているんです。

 

果樹園で育つ梨の木の高さは約170cm。成人男性がかがんで作業しないといけない高さなのですが、あまり高くできないと言います。

 

田中さんが立つと、梨の木の高さを超えてしまいます

・田中さんが真っ直ぐ立つと、木の高さを超えてしまいます

 

田中さん:私はいいのですが、夫婦でやっているものですから。私の身長に合わせると(奥さんが)届かなくなってしまうんですよね(笑)。

 

田中さんのが育てる果樹は、ご自宅の目の前から鰻の寝床のように細く長く伸びる畑に植えられています。ご夫婦お二人だけで、この園地内を見て回り、毎年同じように美味しい梨を育てるということは、大変な作業だろうと想像できます。天候をはじめ、周りの環境によって育ち具合が変化するのが食物ですから、日々の小さな変化を見極める知識と経験が必要です。そして、コツコツと手をかけるマメさや忍耐も求められるでしょう。例えば、形のよい梨を育てるためには、実が小さい時期から園内を回り、形の悪い梨を見極め、摘果を繰り返えす必要があるそうです。当たり前ではありますが、美味しいだけではなく、見栄えのよい梨を育てるため、収穫まで気は抜けません。新しいことはしていないと田中さんは言いますが、同じものを作り続けることも難しいことです。

 

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・鰻の寝床のように伸びる果樹園。移動にも時間がかかります

 

震災後、注文がピタッと止まった――

震災による影響は、海の幸だけではなく、果物にも及びました。風評被害という見えない刃に形を変えて。

 

田中さん:風評被害はやっぱりあって、震災後に注文がピタッと止まりました。震災後から今まで、うちの梨は放射線物質の検査の結果は、毎回検出下限値未満なんですが。実は震災前、販路拡大に向けて、直販に力を入れ始めていたんです。実際に増えていっていました。重ねた伝票の束が、だんだんと厚くなっていくのが分かりましたから。嬉しかったですね。そんな時に地震が起きて……。やっぱり、気持ちが落ちてしまいましたね。でも、ありがたいことに、逆に注文を増やしてくれる方もいるんです。応援するからね、と言ってもらえた時は、込み上げるものがありました。感謝、感謝です。安心して食べていただくために、出荷する際にはモニタリング検査の結果を同梱してお送りしています。

 

梨、続々!

冒頭でも触れましたが秋は梨の季節です。続々と出荷が始まります。

まずは幸水。これは8月下旬から9月上旬にかけて出荷される品種で、甘さと歯触りがよいポピュラーな梨です。多くの方が知っているのではないのでしょうか。9月中旬から9月下旬にかけては、幸水に酸味が入ったバランスの良い味が楽しめる豊水が出荷されます。

 

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・定番品種の幸水

 

そして、9月の下旬から10月の上旬にかけては、2001年に品種登録された比較的新しく人気の高い「あきづき」という品種が楽しめます。

 

田中さん:あきづきは人気ですね。この梨は果肉が程よくやわらかいんです。甘さも上品。それと後味が違いますね。食べた後の爽やかさというか。言葉では表現しにくいのですが、そういう美味しさがあります(笑)。

 

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淡々と、ゆっくりと話す田中さん。以前、岡田海苔店の岡田建義さん(*)にお話を聞いた時にも感じましたが、生産者の方から聞く「美味しい」「良い」という言葉には説得力があります。食べてみたいなぁという気持ちにさせらるから不思議です。

*以前の記事参照:【岡田海苔店】旬の一番初めに採れる海苔を、焼き立てで

 

さて、あきづきの旬の終わり頃、10月中旬から11月の中旬にかけては新高という品種が登場します。瑞々しい品種で、酸味は少な目。歯ごたえのある食感が楽しめます。

 

11月の下旬からは王秋という品種が旬を迎えます。この品種は糖度が高く瑞々しい、そして日持ちもするという優れた品種。翌年の3月頃まで保存できるそうです。そのため、お歳暮として購入されるお客さまも多いといいます。

 

また、10月中には甘さと奥深い香り、トロリとした食感が楽しめるラ・フランスもお届けが可能です。

 

このように、秋は続々と多種の梨が登場します(*)。食べ比べをして、美味しさの違いを見つけてみるのも面白いかもしれません。
すべての梨は、田中さんの果樹園から直送されます。田中さんが丁寧に育てた種々の梨を、ぜひご家庭でお楽しみください。

*9月25日現在、あきづき新高王秋ラ・フランスのご注文を受け付けております。

 

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・人気の高いあきづき

 

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・甘さと歯ごたえのバランスが良い新高

 

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・甘く瑞々しい品種・王秋は日持ちがする点も人気の理由

 

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・とろりとした食感と香りが特徴のラ・フランス。収穫時期の見極めが難しいのだそう

 

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