囲い梨とは? 地元の人も勘違い!? なんと英語の訳もありました。
「梨といえば鳥取」と思うかもしれませんが、福島県の浜通りも産地です。もちろん、ここ相馬も。
さて、相馬の方には囲い梨という名前はおなじみのはず。特に磯部地区は昔から名産地だったと言います。この囲い梨、どんな種類だと思いますか? この単語だけで検索しても、定義まで書いている記事は見当たりませんでした。ただ、「囲い梨+英語」で検索すると、すぐに答えが出てくるのですが、それは後ほど……。
この梨、某相馬出身の同僚曰く「でっかくて、よく仏壇に置いていたんだ」。
大きい梨というと、新高ですね。育て方によっては、赤ちゃんの頭のサイズくらい大きくなるのだとか。そう、囲い梨とは新高を指すのだそうです。同僚だけでなく、他の方にも新高=囲い梨と教わったことがあります。あ、商品ページに写真をアップしていますので、ご興味がありましたらどんな梨なのか見てみてください。
ここで疑問が。なんで囲い梨なんだろう?
教えてもらったときに質問すればよかったのですが、その時はまったく疑問に感じておらず……。というかスルーしていました。その答えを考えていると、同僚の「でっかいから1個をみんなで分けて食べてたんだ」と言っているのを思いだしました。
そしてひらめきました。
新高=大きい=1つを家族で囲って食べられる=囲い梨
これだ! なるほど! そういうことか! と、名前の意味がストンと腑に落ちたのです。昨年のことです。
そして今年にどんでん返しが……。
10月に富沢の田中果樹園さんへお邪魔したのですが、王秋(おうしゅう)という来年の3月頃まで日持ちする品種を「囲い梨」と言っていたのです。「え~!?囲い梨って新高のことじゃないんですか?」と聞くと、「囲い梨ってのは長期保存ができる梨のことをいうんだよ。囲っておける梨だから」と田中さん。
「え? 囲っておけるって……?」
キョトンとしている自分を見て、「囲うって言わない? 保存するってことなんだけど。あれ、方言だったかな?」と田中さんは言葉の意味を説明してくれました。
そういうことだったのか……。衝撃。自力で見事な方程式を導きだしてご満悦していた自分が恥ずかしい……。
でも、新高梨を囲い梨と呼ぶ人がいるのも事実です。そのことを田中さんに伝えると「昔は品種が梨の種類がそんなになかったから、新高を保存して囲い梨と呼んでいたのかも」とのことでした。な~るほど。昔の名残なのかもしれませんね。
そして、事務所に戻って調べてみましたよ「囲う」を。そうしたら……
(goo辞書より)
ありましたよ、辞書に。4番目です。方言でもなんでもなかったですね。ただ単に自分が無知だっただけでした。恥ずかしい。
そして、試しに「囲う+英語」で検索してみたところ、
(Weblio英和対訳辞書より)
ちゃんとありました。Store / Preserveは保存する、貯蔵するという意味の英語なので、ちゃんと訳されていますね。英語まであるとは。勝手に勘違いする前にちゃんと調べればよかったです。
ちなみにGoogle翻訳は
とのことです。Enclosureは文字通り囲いのこと。まあ、直訳なのでそうなりますよね、これは。
さらにちなみにEnclosure pearをGoogle翻訳にかけてみると
なんのことやらって感じですね(笑)。おそらく海外には囲い梨という概念はないのでしょうか。
さてさて、自分の勘違いを書くだけだったのに長くなってしまいました。失礼いたしました……。何はともあれ、勉強になりました。そして、思い込みは良くないな、まず調べよう、そして分からなかったら聞いてみよう、という当たり前の教訓を今一度心に刻めた有意義なできごとでした。
あ、田中さんが言っていましたが、新高は常温ではそこまで日持ちしない品種のようです。王秋でしたら、冷蔵保存でなくても、涼しいところであればだいたい3ヶ月は日持ちするのだそう。なんと来年の3月頃まで持つのだとか。贈り物にも人気です。
甘さと瑞々しさが特徴の品種です。ぜひ☆
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