「なみえ復興祭 2014 秋」360度レポートその2 ~ライヴステージ編~
2014.11.03 カテゴリ:ブログ
福島県の浪江町の方々が住んでいる相馬市の大野台第8応急仮設住宅にて開催された「なみえ復興祭 2014 秋」のレポート、今回はアーティストの方々のライヴパフォーマンスを中心にご紹介させていただきます。
浪江町の状況、イベントの開催趣旨、物販ブースの様子などは前回の記事をご覧ください。
「なみえ復興祭 2014 秋」レポートその1
第4回目を迎える今回も、スタートからフィナーレまで、たくさんの方々が歌と芸で会場を盛り上げてくれました。
まずはステージの雰囲気を360度カメラでご紹介いたします。
なみえ復興祭 2014秋 天気に恵まれ賑わっています! – Spherical Image – RICOH THETA
・ケイタクの内山敬太さん(左)と、遠山卓也さん(右)
トップバッターを務めたのは福岡出身、Vo. & Gt.の内山敬太さんとGt. & Cho.の遠山卓也さんからなるアコースティックギターデュオ「ケイタク」。目をも魅了する美しいブルージィなギタープレイと、伸びやかな歌声が秋晴れの空に響き、イベントの幕開けを爽やかに彩ってくれました。スタッフは初めてお会いしましたが、マネージャーさんを含め皆さん飾らず、そしてとても面白い方で、だいぶ笑わせていただきました(笑)。ステージ後、第8応急仮設住宅の自治会長さんとお話されていて、次の約束もされたそう。次回の相馬入りが早くも待ち遠しいです。
・励まし屋の来栖政也さん(左)と吉野努さん(右)
お次は「励まし屋」。Vo.の来栖政也さんとVo. & Gt.吉野努さんからなる励まし屋は、震災後から定期的に相馬に足を運び、また、相馬を舞台に描いた楽曲「相馬歌」も作るなど、長期にわたりこの地を応援し続けてくれています。なみえ復興祭にも度々参加していて、アットホームな雰囲気の中、会場を盛り上げてくれました。来栖さんの❝入魂❞された熱い歌声と吉野さんのハイトーンボイス、勇気をもらえる歌詞や、「芸人か!」と突っ込んでしまいそうなおふたりの掛け合いは、見ていて、聴いていて楽しく、元気をいただきました。
・舞台役者のあかねさん
続いてステージに上がったのは劇団「くま吾郎王国」の主宰・あかねさん。東京をメインステージに活躍されている舞台役者です。❝相双地区のために何かできれば❞と、路上で歌う際に相馬本家のチラシを配ってくださるなど、遠方でご支援してくださっています。フットワーク軽くあちこちで活動されているバイタリティ溢れる方で、ステージでもはつらつとした歌声を披露し、元気を分けてくれました。今後、相馬での舞台開催も構想しているとのことで、次は役者としてのあかねさんもぜひ拝見してみたいです。
・関東で活動するシンガーソングライターふくろうさん
あかねさんに続き、シンガーソングライターのふくろうさんがステージへ。ふくろうさんは関東を中心にストリートやライヴハウスなどで精力的に活動されているアーティスト。❝身近な言葉の大切さに気づけるように穏やかな気持ちになる音楽を❞と楽曲制作をされていて、あまりお話することはできませんでしたが、このテーマの通りとても優しそうな方で、笑顔がとても印象的でした。今回はアコースティックギターとカズーを使い、弾き語りで温かい歌声を届けてくれました。
・あっけらかんのおふたり。来場者を巻き込んだパフォーマンスも
ここまで歌のステージが続きましたが、次は趣向ががらりと変わり、お笑いマジシャンのあっけらかんのおふたりが登場。おふたりは度々福島を訪れライヴを行っており、前回のなみえ復興祭にもご出演しています。ステージでは、風船を口にしまったり、剣を飲み込んで(みようと挑戦して)みたり(笑)、ゴム手袋を被って鼻息で破裂させたり、来場者を巻き込んだり……と、様々なパフォーマンスで会場の笑いを誘いました。おふたりはステージ外でも会場のあちこちでマジックを披露していて来場者と触れ合っていて、特にちびっこたちに大人気! イベントを終始賑やかにしてくれました。
・新地町出身の加藤彩華さん
お笑い×マジックで会場が和んだ後は、再び歌のステージに。相馬市の北側に隣接する新地町出身のシンガー加藤彩華さんの登場です。普段は仙台を中心にMy Ats(マイ・エイトス)というガールズバンドで活動されていますが、今回はソロでご出演。パワフルで艶のある歌声が会場内に響き渡りました。加藤さん、なんとなみえ復興祭が誕生日と重なり、パフォーマンスの途中、来場者からお花のプレゼントが! 素敵なサプライズもあり、アットホームで楽しいステージとなりました。
・演歌歌手・仏次郎さん。オリジナルの相撲甚句を披露
さて、加藤さんの次はこれまた趣向が変わり、お母さまたちのアイドルのお時間。相馬市ご出身の演歌歌手・仏次郎さんの登場です。仏さんは相馬市内で定期的にステージに立ち、歌のほか、相撲甚句という七五調の囃子歌(邦楽の一種)を披露されています。地元のファンも多く、当日もファンが駆けつけていました。この日も、相撲甚句や相馬をテーマに描いた歌でお母さまたちの視線を釘づけに! 地元アーティストならではの和やかな空気感が印象的でした。
・銀座本店のダンスパフォーマンス
今回のなみえ復興祭は、多くのアーティストやパフォーマーが花を添えてくれました。ここまでで7組がステージに上がりましたが、ショーはさらに続きます。次はダンスエンタテインメントグループ「銀座本店」。戦隊モノのスーツに身を包み、ステージ中を駆け巡るエネルギッシュでユーモア溢れる5人組です。彼らも相馬には足しげく通い、お子さんを中心に地元に笑顔と元気を届けてくれています。今回もテンポも真面目さも緩急あって、魅せる、笑わせるパフォーマンスが満載。子どもも大人も楽しめる素敵なステージでした。
・会津若松出身のシンガー&モデル・越尾さくらさん
10時からスタートしたステージライヴもいよいよラストに。トリを飾ったのは、東京都内を中心に活躍するシンガー&モデルの越尾さくらさん。出身は福島県の会津若松で、親族には相双出身の方もいらっしゃるといいます。以前、「そうま復興マルシェ」に出演された時にもステージを拝見しましたが、華奢な体とは対照的な声量と伸びやかな歌声には、いつも驚かされます。今回のステージではカバーとオリジナルを披露。「上を向いて歩こう」では、歌の途中、オケが頭に戻ってしまうハプニングも。それでも、オケを止め、お客さんの手拍子に合わせ、アカペラで最後まで歌い切る姿には❝さすがプロ❞と感じさせられました。
越尾さんのステージが終わり、フィナーレかと思いきや、全アーティスト&パフォーマーがステージに上がり、励まし屋の『67億分の1』を熱唱。そしてステージは幕を降ろし、来場者に熊本県の大嶌屋さんのご支援によるリンゴやミカンをプレゼントする、なみえ復興祭最後のイベントに――となるはずでしたが、ここでさらに二組のアーティストがステージに上がり、プレゼントタイムに色を添えてくれました。
・チームしめちこちゃんのおふたり。写真は翌日相馬市内で行われた、そうま復興マルシェの様子
1組目が横田堅弘さんと太鼓叩きのみぶーさんによるチームしめちこちゃん。おふたりも相馬に定期的に足を運び音楽で地域に元気を与えてくれていて、相馬のファンも多くいるアーティストです。アコースティックギターとカホンで元気みなぎる楽曲を演奏してくれました。しめちこちゃんのおふたりは、全国各地で精力的にアーティスト活動を行う一方、東京都の板橋で居酒屋『しめちこちゃん』も営んでいて、メニューにはなんと相馬の食も! 歌だけではなく、食の面でも応援してくれている方々です。
・フィナーレを飾った田村JINさん。リズム隊にチームしめちこちゃんのみぶーさんが。
2組目は田村JINさん。音楽プロデューサーであり、プレイヤーでもある方です。音楽業界をよく知る方なのですが気さくで面白く、とてもチャーミングな一面も持ってらっしゃいます。吉田拓郎のカバーと感謝をテーマに描いたオリジナル楽曲という、哀愁と温かみある2曲を歌い、西日が射し込む時間帯とイベントの本当のフィナーレを飾るにふさわしいステージとなりました。曲の最後にはリズム隊のみぶーさん、司会を務めた横山さんとともにジャンプを決める一面も! ジャンプのタイミングがややずれてしまいましたが、それもまた愛嬌(笑)。笑いでステージを締めくくりました。
10時から14時過ぎまで開催された今回のなみえ復興祭。たくさんのアーティストが応援に来相してくれ、サプライズあり、ハプニングありの楽しく感動的なステージライヴで、イベントを最後の最後まで盛り上げてくれました。
・全出演者とスタッフで記念撮影。
浪江町の方々をはじめ、近隣の仮設住宅の方や相馬市民で賑わった『なみえ復興祭 2014 秋』。運営、出店、出演された方々をはじめ、多くの方のサポートで成り立ったイベントだったと思います。震災から3年以上経ち、メディアの情報や人々の関心は減ってきている一方で、未だ復興と言い切れない現状は存在します。このような状況下、今回のようなイベントは、人々が集い情報を交換する場所、外の方々に目を向けてもらうきっかけとなる場所になったのではないかと思います。
次回の開催が、今から楽しみです。