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山形屋商店、2年連続最高賞受賞を受けて改めてお話をうかがってきました。

2014.10.31 カテゴリブログ,山形屋商店

10月1日に、山形屋商店の「ヤマブン 本醸造特選醤油」が全国の醤油品評会にて農林水産大臣賞を受賞したことが発表されました。2年連続となる受賞で、福島県では初の快挙です。既に地元メディアにもご紹介いただきましたが、我々スタッフも改めて5代目の渡辺和夫さんにお話をうかがってまいりました。

 

2年連続農林水産大臣賞を受賞した山形屋商店の5代目渡辺和夫さん

・5代目 渡辺和夫さん。表彰状と一緒に

 

期待を背負っての出品

「昨年、既に農林水産大臣賞を受賞したため、今年は期待も大きかった」と渡辺さん。これに加えて、今年5月には、「全国新酒鑑評会」にて17銘柄が「金賞」に輝き、県別の金賞受賞数が2年連続で日本一に輝いたため、「醤油もこれに続け」とプレッシャーは増したと言います。そのような期待を背負っての挑戦であったため、今は「ほっとしています」と渡辺さん。

 

渡辺さんは自社製品のことのみならず、福島県全体の底上げのため、日々良質な醤油づくりに励んでいます。今回の受賞に関しても、「県内の同業者らで勉強会を開催し、切磋琢磨した結果」と言います。

 

この“勉強会”に関して少し。震災後、県内の醤油出荷量は著しく落ち込みました(詳細な数字は渡辺和夫さんの受賞報告をご覧ください)。これを受け、福島県醤油醸造協同組合(二本松市)の紅林(くればやし)工場長の呼びかけにより、勉強会と呼ばれる「福島県醤油出品評価会(勉強会)」を開催するようになったのです。この会を通じて、ライバルとして切磋琢磨し、あるいは仲間として手を取りあいながら、福島県の醤油生産者たちは互いに知識や技術を高め合ってきました。

 

実は、山形屋商店は、約40年前に行われた初年度の醤油品評会に出品して以来、品評会には参加していませんでした。しかし震災後、県内の業界を取り巻く状況が一変したことを受け、県産品の品質を広く知ってもらうべく、昨年から改めて出品を決意したそうです。

 

昨年の受賞時にもおっしゃっていましたが、「受賞が県産品のアピールにつながれば嬉しい」と渡辺さんは言います。

 

同業者の中には、実際に山形屋商店の工場を見学に来る方も多いのだそう。そういう方には特に隠すことなく、工場内や日報などを見てもらっているそうです。オープンですね(笑)とお聞きすると、「自分も他人にお世話になっているからね」と渡辺さん。「福島県の醤油品質の向上」という同じ目的を持ち、技を磨き合っているのだなあと、改めて感じさせられました。

 

山形屋の商品はこちら!

 

まだある!山形屋の醤油を使った商品

農林水産大臣賞の表彰状。山形屋商店の店内には昨年度と今年度の2枚が並ぶ。

・農林水産大臣賞の表彰状。店内には昨年度と今年度の2枚が飾られている。

 

銀行マンから職人の世界へ――。

ところで渡辺さん、以前は銀行マンだったのです。故郷の相馬や相馬市外で長年銀行員として働かれていましたが、結婚を機に故郷の相馬に戻った。同時に、山形屋商店へ。10年間に渡る丁稚(でっち)、そして1年間の奉公を経て、5代目となりました。

 

2年連続農林水産大臣賞を受賞という華々しい記録を打ち立てた渡辺さんですが、もともと味噌醤油の知識や技術を持ち合わせていたわけではなく、現在に至るまで、相当な努力を積み重ねたのだと思います。ご本人も(笑って答えてくださいましたが)「やっぱり大変でしたね」とおっしゃっていました。真摯に醤油に向き合ってきた日々があってこその、今回の受賞といえるでしょう。

 

さて、2年連続農林水産大臣賞を受賞した山形屋のお醤油は、もちろん相馬本家からもご注文いただけます。かえしを加え、丁寧に火入れと寝かしを行った、深いコクと香ばしさが際立つお醤油を、ぜひお試しください。