山形屋商店より農林水産大臣賞受賞の報告をいただきました。
味噌醤油醸造の老舗・山形屋商店の「ヤマブン 本醸造特選醤油」が全国の醤油品評会において、昨年に引き続き最高賞となる農林水産大臣賞を受賞いたしました。
山形屋商店の5代目 渡辺和夫さんから受賞のご報告をいただきました。
品評会や審査のお話、渡辺さんの心境、福島県の醤油業界の現状などが綴られています。渡辺さんより許可をいただきましたので、以下、掲載させていただきます。
—–引用ここから—–
10月1日(水)東京・ロイヤルパークホテルにて平成26年度「第42回全国醤油品評会」(主催: 日本醤油協会 後援:農林水産省)の表彰式が開催され、当店のこいくちしょうゆ「ヤマブン本醸造特選醤油」が最高賞にあたる「農林水産大臣賞」を受賞しましたのでご報告 させていただきます。
全国醤油品評会は、年に1回だけ開催される国内唯一、全国規模のしょうゆ品評会で、しょうゆの品質向上と表示の適正化を図り、消費者に良質のしょうゆを提供することを目的に、しょうゆのJAS(日本農林規格)が整った昭和48年から毎年開催され、今年が42回目の開催と なります。昨年、同品評会において当店のこいくちしょうゆ「ヤマブン本醸造特選醤油」が最高賞にあたる「農林水産大臣賞」を受賞したところですが、2年連続の最高賞受賞は福島県としては初の快挙となります。
今回、全国の予選を通過したしょうゆ252点が出品され、表示審査、1次審査、2次審 査、最終審査を経て「農林水産大臣賞」4点、「食料産業局長賞」7点、「優秀賞」39点が決定しました。当店のこいくち「ヤマブン本醸造特選醤油」が最高賞にあたる「農林水産大臣賞」を受賞。評価された点は、優れた品質、特に食欲をそそる香ばしい香りと深いうまみ、加えて色、味、風味のバランスに優れている点が評価されました。
昨年、同品評会において全国一位の評価をいただき、地元はもちろんのこと県民の皆様に喜んでいただきました。今回は 昨年とは異なり2年連続受賞の期待を背負っての挑戦でした。プレッシャーはありましたが最高の舞台で最高の栄誉に輝き、ほっとしています。今年は福島県醤 油醸造組合創立50周年という節目の年にあたり、2年連続最高賞受賞は本県業界にとって悲願であり大きな喜びとなると同時に、ふくしまブランドイメージの 向上にも貢献することができました。
本県の受賞は弊社のほか、ヤマボシ醤油合名会社(白河市)のこいくち「ヤマボシ醤油・松印」、福島県醤油醸造協同組合(二本松市)のさいしこみ「ふくしま・むらさき」がそれぞれ「優秀賞」を受賞しました。
今年5月20日、福島の酒が「全国新酒鑑評会」にて17銘柄が「金賞」に輝き、県別の金賞受賞数で昨年に続き日本一となりました。2年連続の日本一は本県と しては初の快挙でしたが今回、同じ醸造食品であるしょうゆも後に続いたことで、福島の持つ優れた醸造技術と存在感を全国にアピールすることができ、来春に 開催される「ふくしまデスティネーションキャンペーン」へ向けていい流れをつくることができました。
業界の現状ですが、これまでふくしまブ ランドの信頼回復のため、きめ細かい放射能検査を継続実施し、全ての検査で「検出せず」を積み重ねてきました。原材料、生産、流通の各段階で放射能検査を 行い、多重検査によって安全性を確保しています。また、JAS認定工場として毎月の格付け検査、ロット毎の品質検査、理化学検査など安全には万全を期して います。しかしながら、食の安全に関する情報提供だけでは風評被害が収まらない。昨年、全国のしょうゆ出荷量は前年比1.7%の減少であったのに対し、本県は前年(前年比14.3%の減少)をさらに下回る前年比24.1%の減少でした。東京電力福島第一原発事故による風評被害が収まらず、かつてないほどの 大幅な落ち込みが続き深刻な状況です。これほどの落ち込みは全国でも本県だけです。風化の問題もあります。復興支援の機運が年々薄れ、風化が進む一方で風 評被害がさらに深刻さを増し、負のイメージだけが定着しています。
こうした中、震災後の平成23年10月26日、福島県醤油醸造協同組合 (二本松市)の紅林(くればやし)工場長の呼びかけで「福島県醤油出品評価会(勉強会)」を開催。福島県ハイテクプラザ 会津若松技術支援センターのアドバイスをいただきながら、全国醤油品評会で入賞したしょうゆを集め、色、香り、味などを研究。各自持参したしょうゆの「きき味」をしながら意見交換をし、さらなる良質な製品をめざし研鑽を積んできました。今回の2年連続最高賞受賞によって、本県のしょうゆは安全で品質が良 く、優れた醸造技術に培われた美味しいしょうゆであることを全国に証明することができます。それと同時に、本県のマイナスイメージの払拭につながると思い ます。これ以上ない最高の栄誉に輝いたのも「チーム福島」が一丸となって切磋琢磨し、たゆまぬ努力によって研鑽を積んできた成果です。これを励みに「同情される福島」から「尊敬される福島」となるように更に研鑽を積み、ふくしまブランドしょうゆの価値向上に努めていきます。
平成26年度「第 42回全国醤油品評会」を通して、福島県産しょうゆの安全性と品質の良さをPRし、販売促進につなげたいと考えています。同時に本県はどこよりも徹底した 食品検査体制を整備し、食の安全に努めているということを是非ご理解いただき、安心してお使いいただきたい。そして多くの方に本県に足を運んでいただき、 美味しいものを食べて、本県の良さ、魅力を堪能していただきたい。来春に開催される「ふくしまデスティネーションキャンペーン」に弾みがつき、最高のおも てなしにつながることを願っています。
昨年12月、「和食」のユネスコ 世界無形文化遺産への登録が発表されました。しょうゆは和食になくてはならない存在であり、使い方次第で千変万化する調味料です。漬物にちょっとかけると 塩辛さが和らぎ、豆腐にかければ大豆の甘さを引き出す。しょうゆは合わない料理を探すのが難しいくらいどんなものにも合います。肉、魚、野菜、どんな素材 にも調和してうまさを引き出し、持ち味を生かす。日本人の心と体にやさしい和食をおいしくするのが旬の食材としょうゆなのです。これを機に日本の食文化を 支える伝統調味料「しょうゆ」の価値も認められ、存在感をアピールできるはずです。
これからも、お客様のため技術に磨きをかけ、より品質の良い醤油を造っていきます。
—–引用ここまで—–
渡辺さんは、自社製品だけではなく、県産品のアピールをと、日々醤油と向き合っています。
香り高く、コクのある、山形屋商店のお醤油を、日々のお料理にご利用ください。
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