【岡田海苔店】旬の一番初めに採れる海苔を、焼き立てで
2014.06.14 カテゴリ:ブログ
松川浦に流れ込む、穏やかな宇多川の近くに事業所を構える岡田海苔店は、岡田建義さん、奥さんのヨミさん、娘さんの亜希子さんのご家族で営む海苔屋さん。有明産を中心に各地の海苔を吟味して仕入れ、焼き海苔、味付け海苔を製造販売しています。
今回は、みなさんに、普段何気なく食べている海苔について、岡田海苔店の商品について、お話をうかがいました。
・岡田建義さん(中央)と、奥さんのヨミさん(左)、娘さんの亜希子さん(右)
“一番摘みの海苔のみを使用しています”
海苔は、日本人の食生活において“当たり前”の食材。だからこそ、海苔について詳しく説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか? お恥ずかしながら、かくいう取材スタッフもこれまであまり何も考えずに海苔を食べていました……。
建義さん:実は海苔にも旬がありまして、11月から1月の間のものが美味しいと言われています。その中でも、11月に採れる“秋芽”と呼ばれる海苔と、海苔のタネをつけた網を一度冷凍保存し、1月に収穫する“冷凍”と呼ばれる海苔の2種類に分けられます。それぞれ特徴があって、秋芽は甘味、香り、それから歯切れと、3つともに優れています。一方で冷凍網は、コクやうまみがあると言われています。どちらが良いかというのは、海苔屋によって意見が異なるのですが、うちでは、秋芽の海苔の中でも一番最初に採れる“一番摘み”と呼ばれる海苔のみを使っています。
季節によって味や風味が異なる一方、浜によっても味が異なるそうです。
建義さん:なかなか気づかないかもしれませんが、海苔って取れる場所によって、浜の味というか、特徴が異なるんです。しかも、同じ浜でも毎年同じ味の海苔が育つとは限らないんです。
魚や果物と同じように、産地により特徴があるということには驚きです。
また、同じ海苔でも、風味や見た目に応じて“等級”が付けられるといいます。岡田海苔店では、使用する等級に応じて、焼き海苔の価格を3つ用意しています。もちろん、すべて“秋芽の一番摘み”のみを使った焼き海苔です。
・焼き海苔は等級に応じて3種類を販売
“海苔は注文を受けてから焼いています”
岡田海苔店は、商品の販売店舗を設けていません。また、岡田家の3名で工場を切り盛りしています。この小規模経営だからこそ、出せる特徴もあるといいます。
亜希子さん:うちは、注文を受けてから海苔を焼いているんです。これはきっと大きな会社ではできないことだと思うんです。それが、小さい店ならではの良さなのではないでしょうか。
ヨミさん:小さい店ではありますが、みなさんに美味しい海苔を少しでもお安くお届けできるように頑張っています。
素材にこだわり、手間をいとわず、一枚一枚ていねいに焼き上げている岡田海苔店の焼き海苔は、普段の食卓だけでなく、ご贈答の品としてもぴったりです。製造工場直売の美味しさを、味わってみてください。
・宇多川沿いに建つ製造工場。注文を受けると、ここで海苔を焼きお客様の元へお届けします